手塚漫画vs最近のジャンプの人気漫画

手塚漫画vs最近のジャンプの人気漫画に関する記事です。

 
2007/12/01(土)

▼ 判定者はだれ?


手塚治虫の漫画と、最近の週刊少年ジャンプの人気漫画はどちらがより評価されるべきか? 
某巨大掲示板で、そんなテーマのスレッドを見つけたので、つい時間を忘れて読んでしまいました(ちなみに私は某巨大掲示板に何か書くと「チラシの裏に書け」「KY」といわれるのが関の山だし、時間がないので議論には参加しませんが・・・)。

vs議論をするなら、判定者が必要だろうけど、判定者は誰に頼むべきか? 私はこれについて考えてみたい。そうすれば、「手塚漫画vs最近のジャンプの人気漫画」の答えもおのずと出てくるだろうから。

▼ 80:20の法則


世の中のもろもろの事象は、おおまかに「80:20」に分かれる傾向がある、という”80:20の法則”がある。世の中のほとんどの人が漫画を楽しんだことがあると仮定しよう。まあ、現在のところ、80%の人(=一般人)は、「漫画なんてものはせいぜい高校生までの読みものだ」、という認識だろう。この80%の人(=一般人)の人間にはvs議論の判定者の資格があるか? という話なら、「ある」、といわざるをえない。なぜなら、週刊少年ジャンプという媒体は、そういう80%の人(=一般人)をも対象にしているのだから。

▼ 一般人の漫画に対する認識


一般人曰く「漫画はエンターテイメントであるべきで、その評価は人気で決められるべき」
話を単純化するために、この認識を正しいものと仮定する。週刊少年ジャンプの方針は、「エンターテイメント」「人気」を重要視しているのは、誰の目にも明らかであろう。

ところで、エンターテイメントとは何か?
一般人曰く「エンターテイメントは現実から切り離されたもの」

これもまた、週刊少年ジャンプの漫画に風刺精神が欠落していることを見れば、納得しやすい定義じゃないかと思われる。

とすれば、もしvs議論の判定を80%の人(=一般人)だけにゆだねるとすれば、「週刊少年ジャンプの最近の人気漫画>手塚漫画」という答えが出てしまう。「ドラゴンボールは、火の鳥やブラックジャックよりも、評価されるべきである」というわけだ。上記の某巨大掲示板のスレッドにも、それを主張する人が何人もいた。確かに、多数決で決定するなら、残り20%の意見などものの数ではないから、その結論で終わりだろう。

▼ 「漫画」の立場にたって考えるなら


しかし、考えてみれば、手塚治虫の漫画人生は、「漫画はせいぜい中学生までの読み物」といった、漫画に対する低い扱いへの抵抗ではなかっただろうか。手塚治虫の最大の業績の一つは、社会における漫画の地位向上ではなかっただろうか。日本のアニメや漫画が海外で評価されるようになったのは、漫画やアニメ業界の人々による地位向上の努力が評価されたからではなかっただろうか。

週刊少年ジャンプは、「漫画はせいぜい中学生までの読み物」という需要に応えるための雑誌だろうか。もしそうなら、ジャンプにとって、手塚漫画は決して相容れないものに違いない。もし週刊少年ジャンプがそれだけの雑誌であるなら、手塚治虫の作り出そうとした時代の流れを逆流させようとしている、ということになるだろう。

▼ サブカルチャーの時代


かなり乱暴に話を単純化させてきたが、現在、日本の漫画が社会のなかで得た地位は、何も手塚治虫だけの功績によるものではないことは言うまでもない。しかし、時代は、手塚治虫の努力と同じ方向に進んできたことは確かだろう。もし、「漫画の神」なるものが存在したとすれば、現在に至るまでの漫画の地位向上を喜ぶのではないだろうか。もし「漫画の神」が、このvs議論の判定者となったら、その判定は自明のように思われる。

ジャンプがナンバーワンの座を占め続けるには、80%の人(=一般人)の読者をも取り込むことも重要なのだろう。それにしても、手塚治虫のように、残り20%の立場から、80%の人(=一般人)へ訴えかけるやり方は、かなり不器用なのかもしれない。80%の人(=一般人)の立場から、80%の人(=一般人)の人間に訴えかけること、この方がスマートなのかもしれない。

週刊少年ジャンプという雑誌に忠誠を誓っていると、いままで私は何度も書いてきた。半分は冗談ではあるが、半分は本心である。だからこそ、私はあえて言いたい──「ドラゴンボールの栄光はもう忘れよう」。というか忘れてくれ。なぜって、その先には手塚以前の時代へ向かう下り坂はあっても、未来はないのだから。

BLOG MENU

この記事へのトラックバック

コメントの投稿  お気軽にどうぞ!













管理者にだけ表示

Page Top ↑
このページは手塚漫画vs最近のジャンプの人気漫画に関する記事です。
Mail:kenko321@mail.goo.ne.jp
copyright (c) kenko321.blog92.fc2.com All right reserved.